ハツリストという蛮族がいる

「ちょうな」で木をハツる、木を耕す日々

ブログをはじめました。

はじめまして、ハツリスト・向井です。
ハツリスト→ハツる人、のことです。
はつる?ハツリスト? 何のことかわからない人がほとんどかと思います。
ですので、このブログでは、自分の仕事のこと、素材である木のこと、道具のことなどについて書いていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

まずは道具のご紹介から〜
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これが「ちょうな」です。手斧、釿、とも書きます。
持ち手である柄は、エンジュという木の枝を熱を加えて曲げたものです。そこに刃が挿げてあります。
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これで木を「はつる」わけですが、「はつる」ということも、なかなか説明しにくくて、普通に削るとも違う、切るとも違う、一度に大きくポコっと削り取ることを言います。

動画はこちら

このように、刃物を木に叩きつけるようにして木を「はつり」ます。何となく、お百姓さんが鍬で土を耕すのに似ていますね。素朴というか、原始的な作業です。それもそのはず、この道具は「生きた化石」とも呼ばれるくらい古くて、登呂遺跡から発掘された木にも「ちょうな」のハツリ跡が残っているほどです。それくらい原始的な道具なので、世界中に類型が見られます。

日本での、おそらく最も古い記録としましては
こちらの絵巻物になるかと思います

(春日権現記絵 1309年)
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実に700年も前の建築現場の様子です。これは、板をチョウナでハツって平らにしているところです。これは本当に凄いことだと思うのですが、今、この絵巻物から700年以上を経た現在、ほとんど同じ道具が使われているのです。他の道具、例えば鋸は、この当時と今では全く異なる形をしています。
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このような木の葉のような形の鋸は現在作られても、使われていません。

カンナにいたっては、今のような木の台に挿げたカンナは存在せず、槍カンナという文字通り槍のような道具で木を削っていました。
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このように他の道具たちが姿形を変えながら進化していくのと反対に、「ちょうな」は太古の昔から大して形も変えず、今に至るまで使われ続けています。ここに、古くて新しい道具「ちょうな」の特殊性があります。どうしてそうなったのかは、誰にもわかりません。ただこうして残ったからには、実用性の他に、何かしら人を惹きつける魅力があったのだと思います。そしてまた私もその魅力に取りつかれた一人だということです。

ではでは、今日はこのくらいで。

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